ブラジルNo2 S17/18 マンチケーラ Qグレード:豊かな自然と品質へのこだわりが生んだ一杯
本日ご紹介するのは、ブラジルコーヒーの中でも特に注目すべき逸品、「ブラジルNo2 S17/18 マンチケーラ Qグレード」です。豊かな自然環境と、品質向上へのたゆまぬ努力が生み出した、特別なコーヒーの魅力に迫ります。
「雨のひとしずく」が育む豊かな大地:マンチケーラ山脈
このコーヒーが育まれたのは、サンパウロ州、ミナスジェライス州、リオデジャネイロ州にまたがる広大なマンチケーラ山脈。
その名は現地の言葉で「雨のひとしずく」を意味します。
名前の通り、マンチケーラの豊かな森林は雨を蓄え、無数の湧き水となって大地を潤します。
豊かな土壌と豊富な水源に恵まれたこの地域は、ブラジルのコーヒー生産地の中でも稀有な存在です。
その証拠に、マンチケーラ山脈はアマゾンに次ぐ「生物の宝庫」と呼ばれるほど、多様な生態系が維持されています。
COE常連の実力:コカリベ農協と南マンチケーラ
この素晴らしいコーヒーを生産しているのが、マンチケーラ山脈の麓、南マンチケーラ地域を拠点とする「コカリベ農協」です。
山々が連なる急峻な斜面にある農園は、朝晩の寒暖差が大きく、朝霧が立ち込めることも
。これは、コーヒーチェリーがゆっくりと糖度を蓄え、風味豊かに成熟するための理想的な環境と言えます。
日本では、同じくこの山脈近くのカルモデミナス地区が先に有名になりましたが、南マンチケーラの実力も折り紙付き。
この地域のコーヒーは、スペシャルティコーヒーの品評会「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」の常連であり、2001年以降、実に359回もの入賞歴を誇ります。
品質への情熱:ウエリントン氏とスペシャルティへの転換
コカリベ農協の品質へのこだわりは、人材登用にも表れています。
ブラジルのカッピングテイスター選手権で優勝し、世界各国のCOE審査員も務めるウエリントン氏を輸出部門のトップとして迎え入れました。
ウエリントン氏の指導のもと、農協の品質は目覚ましい進歩を遂げます。
かつてはコマーシャルグレードの生産が中心だった農園も、彼の指導によりスペシャルティコーヒー生産へと舵を切り、現在では農協内で生産されるコーヒーの80%以上がスペシャルティグレードという驚異的な比率を達成しています。
研究と品種選定:イエローカツアイ100%へのこだわり
コカリベ農協は、単に栽培技術を向上させるだけでなく、コーヒー研究にも力を入れています。
この地域の気候風土に最適な品種は何かを調査した結果、「イエロー」系の品種が、より多くの水分や甘味を蓄え、時間をかけてじっくり成熟することを発見しました。
そのため、農協ではイエロー品種の栽培を積極的に推奨しています。
今回ご紹介する「ブラジルNo2 S17/18 マンチケーラ Qグレード」も、その研究成果に基づき、イエローカツアイ種100%で仕上げられています。
こうした地道な努力と品質への追求の結果、コカリベ農協はスペシャルティコーヒーを生産する農協として確固たる地位を築き、欧米をはじめとする世界のスペシャルティコーヒーロースターからも高い評価を得ています。
味わいの特徴
- 香り:柔らかく甘い香り
- 酸味:マイルドな酸味
- コク:豊かなコク
- 風味:チョコレートのような風味
- バランス:非常に良い
全体として、飲みやすくも満足感のある、バランスの取れた味わいが楽しめます。
まとめ
ブラジル・マンチケーラ地方の豊かな自然と、コカリベ農協の品質への情熱が生み出した「ブラジルNo2 S17/18 マンチケーラ Qグレード」。
その土地ならではのテロワールと、研究に裏打ちされた栽培・精製技術が詰まった一杯を、ぜひお楽しみください。