コーヒー豆とは学術的には<アカネ目アカネ科コーヒーノキ属>の種を乾燥させたものです。
コーヒーノキの中でも飲用に向いているものが
「アラビカ種」
「カネフォラ種」
「リベリカ種」
「ユーゲニオイデス」
の4種類あります。
コーヒー豆はワインや日本酒のように農作物なので、産地や標高など育て方で味が変わります。
なぜ産地や国ごとにコーヒーの味が変わるのでしょうか?
- 品種
- 精製方法
- 環境
上記の3点が国や産地ごとに似ているから、国ごとに味の特徴が分類できます。
例えば、「エチオピアは甘味と酸味がフルーティーです」
①品種:在来種、エアルーム(原種)品種など
(エチオピアでも厳密には品種はわかれていますが一般的に「在来種」などとひとくくりにされています)
②精製方法:ナチュラル
③環境:標高が高いところが多い
国ごとに育てやすい品種や環境の違いがその国のコーヒーの特徴になっています。
近年同じ品種でも国によって栽培される環境が違うので、コーヒーの味にも違いが出てきています。
国によって味に違いがあるのもコーヒーを楽しむ1つの要因ですね。
この記事ではコーヒーの品種について紹介していきます。
コーヒー豆の品種 3大原種
コーヒー豆の原種は3種類です。
①アラビカ種
豊かな風味や鮮やかな酸味持ち、上品で複雑な味わいを引き出します。
品種によって個性があり、奥が深い。
エチオピアが原産
病気や害虫、乾燥、霜に弱く、栽培が難しい。
標高が1000m以上の高地で栽培されています。
世界で流通している約6割がアラビカ種。
突然変異や自然交配、人工交配などでアラビカ種は約200種以上あると言われています。
②カネフォラ種(ロブスタ種)
酸味がほとんどなく、苦みが強い。
缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに使われることが多い。
主な生産国は、ベトナム・インド・ブラジルなど
コンゴ原産
低地で育ち、病気や害虫にも強い。
世界で流通しているコーヒー豆の約4割はカネフォラ種です。
③リベリカ種
アフリカのリベリアが原産
成熟するまで時間がかかり、サビ病などに弱い。
味もアラビカ種やカネフォラ種(ロブスタ)に劣ると言われているため
一般的な流通量は1%ぐらいしかありません。
現在はマレーシアやフィリピンで栽培されており
「エレファントコーヒー(マレーシア)」や「バラココーヒー(フィリピン)」が有名です。
④ユーゲニオイデス
コーヒー特有の酸味や苦みが少なく、甘味強い。
ユーゲニオイデスはアラビカ種の祖先だと言われています。
アフリカのアルバート湖の高地でユーゲニオイデスとロブスタ種が
異種交配でアラビカ種が生まれたと言われています。
栽培が難しく少量しか生産されていません。
2021年のワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)で
3位までに入賞した競技者全員がユーゲニオイデス種を使用していました。
その影響もあり数年先まで売り切れになっています。
(コーヒー豆の品種(アラビカ種)
エチオピアから世界に輸出され、国ごとに突然変異や自然交配・人工交配などで様々な種類が生まれました。
ティピカ
アラビカ種の先祖(原種に近い)、上品でやわらかな酸味とコクと豊かな香りが特徴。
英語の「typical(普遍的な)」から名付けられたと言われています。
しかし収量が低く病害虫に弱いことから他品種への置き換えのため激減し、現在では非常に希少です。
エチオピア原種(在来種)
ゲイシャ
ブルボン
ティピカ種がイエメンからブルボン島(現レユニオン島)に持ち込まれ、突然変異したものと言われている。
濃厚なコクとふくよかな甘味があり、バランスのとれた優れた味わい。
ティピカより収量が20~30%高いブルボンへの置き換えが進んみましたが、
ブルボンも病虫害に強いとはいえず、2年に1回しか収穫できないという生産性の低さがあります。
現在はカトゥーラ、カトゥアイ、ムンドノーボなどへの置き換えが進んでいます。
スマトラ
ケント
マラゴジッペ
ブラジルの「マラゴジッペ」という町でティピカの突然変異により生まれた品種です。
世界に流通する豆の中で最も大粒で「エレファント・ビーンズ」とも呼ばれています。
ムンドノーボ
ブルボン種とスマトラ種(ティピカ種)がブラジルで自然交配して生まれた品種
Mundo Novoはポルトガル語で、「新世界」という意味です。
ルボン種よりも生産性が高く、病害虫や環境の変化に強く育てやすい。
ブラジルのコーヒー農園でよく栽培される品種の1つ。
酸味が少なくカカオやナッツのような香ばしい香りとほろ苦さがあり、
程よいコクとふくよかな甘みが特徴です。
全体的にバランスが取れていてマイルドで飲みやすい。